学園魔眼王2

寝取りの魔眼で他人の彼女を落としてハーレムを作ろう

著者: 源氏乃左大将

電子版配信日:2024/07/26

電子版定価:880円(税込)

寝取りの魔眼──彼氏持ちギャルすら処女を捧げてしまう、発情の瞳。
力の暴走を抑えるのを諦め、亜門は思うままにハーレムをつくり始める!
担任のおっとり美人・三宅先生、元アスリートの体育教師・松嶋先生、
子持ちの人妻・鏑木先生……保健室で三つの美尻を並べて4Pで征服!
次々に美女を虜にし快楽に溺れる亜門だが、突如、魔眼の力に異変が……
寝取りまくりの学園異能ハーレム! 2万字の特大書き下ろし収録!

目次

一 頑張ったメス奴隷にご褒美をあげよう

二 腐女子も魔眼からは逃げられない

三 腐女子をモテないことの言い訳にしてはいけない

四 腐女子だって女だとワカラセル

五 学校で体調が悪くなったら保健室に行こう

六 お昼休みは紗栄子とイチャイチャしたい その1

七 お昼休みは紗栄子とイチャイチャしたい その2

八 紗栄子、体育館内でプチ露出

九 高山みのり、友人の行動を不審に思う

十 眞由美、別れ話がこじれる

十一 眞由美、智之さんとの決別

十二 見せてやるぜ、俺達の野生

十三 男の価値は何で決まるのか?

十四 相田の心を折れ その1

十五 相田の心を折れ その2

十六 保健室で4P 後片付けをして帰ろう

十七 露出三姉妹出撃準備完了

十八 超難関単独ミッション 職員室へ全裸で潜入せよ

十九 紗栄子、思い出しオナニーがすっかり日課になる

二十 魔眼なんか使わなくても僕の青春はバラ色だ

二十一 魔眼衝動

二十二 復活の予兆

二十三 困った時に助けてくれるのがまともな奴とは限らない

二十四 自称暴食の能力者見参!

二十五 破軍獄殺拳は誰が何と言おうと一子相伝の暗殺拳だ

二十六 魔眼をもっと使いこなすにはどうすればいいか? そう、実践あるのみだ

二十七 昔の同級生に再会して、四年前のことを思い出す

二十八 映画泥棒はダメって言われたけど、チカンはダメって言われなかったから

二十九 館内で映画は盗んじゃダメだけど、他人の彼女は盗んでもよい

三十 多目的トイレだもの何に使ってもいいんでしょ?

三十一 加々美弥奈、公衆便所で初体験 その1

三十二 加々美弥奈、公衆便所で初体験 その2

三十三 加々美弥奈、魔眼の効果が切れて正気にもどる

書き下ろしSS 男子禁制秘密の職場体験

本編の一部を立読み

一 頑張ったメス奴隷にご褒美をあげよう


 紗栄子を自宅に送り届け、時計を見ると午後二時半を少し過ぎたところだった。
「今更学校に行ってもしょうがないし、この後どうしようかなぁ」
 ハイヤーの中で一人腕組みし、考えることしばし……
 なんというか、この数日で僕を――私立聖愛学園の学生である霍乱亜門《かくらんあもん》を取り巻く環境は随分と変わってしまった。
 彼氏や夫のいる女性を一時的に発情させ僕に好意を持たせる「寝取りの魔眼」。恐るべきこの力を、四年前の夏、突然手に入れた。
 中二病とバカにされても、クラスの皆には能力を使わないように気を付けていたが、担任の三宅眞由美《みやけまゆみ》先生、金髪ギャルの槍満紗栄子《やりみつさえこ》を偶然魔眼の虜にしてしまい、そして誘惑に負けて二人と関係を持った。
 三宅先生のことは自宅に連れ込んで徹底的に犯し、婚約者を捨てて僕の雌犬になると宣誓させた。
 紗栄子のことは、ハメ撮り動画をネタに脅し、僕の彼女になるように要求。交渉の末、三十日という期間限定で、お昼休みの一時間だけ僕の彼女になることを承諾させた。
 初めは嫌がって悪態をついていた紗栄子だったが、毎日毎日僕の調教を受けているうちに身体がすっかり僕を受け入れるようになり、そして気持ちも少しずつ僕の方へと傾いていっている。この調子なら近いうちに完全に僕のモノに出来そうだ。
 このまま上手くいけばいいが油断は禁物だ。魔眼の力が公にならないよう気を付けなくては……
 そんなことを考えているうちに時間も過ぎ、いまさら勉強という気分でもなかった僕は、
「そうだ、姫野のところにお礼を言いに行くか。今回は色々面倒みてもらったしな」
 と思い付いた。
 グラドルを手配してもらったり、監視のために店を借りたり、プレゼントのバッグを買い集めてもらったりと世話になった僕のメス奴隷である、姫野玲香《ひめのれいか》に早速電話で連絡をする。
「やあ姫野僕だよ、そう、色々とお世話になったね、ありがとう、うん、おかげで上手くいったよ。今はオフィスにいるんでしょ? 近くにいるからこれから顔を出すよ。うん、十五分くらいかな、そうだね、それじゃあ、よろしく」
 電話を切って軽く車内で仮眠を取り、ひと眠りしたところで車は姫野の会社に到着した。時計を見ると丁度十五分経っていた。
 姫野のオフィスは駅前にある二十階建ての商業ビルの中にある。
 七階までが商業施設で八階より上は会社や事務所になっているビルの八階、九階が姫野の会社だ。
 プリンセスグループなる名称のこの会社は姫野が学生時代に起業したもので、エステティックサロンを中心に、ネイルサロン、美容室、ヨガスタジオ、フォトスタジオ、化粧品や美容器具の販売などなど、女性の美容に関する業務を手広く手がける会社になっている。
 本人がまだ三十歳ということもあり、社員もほとんどが若い女性だ。
「いらっしゃいませ、プリンセスグループへようこそ、本日はどういったご用件でしょうか?」
 社員教育が行き届いているのか、受付の若いお姉さんは僕のようなどう見ても学生にしか見えない者に対しても物腰が丁寧だ。それとも、姫野からあらかじめ言い含められていたか?
「先程アポイントメントを取っておいた霍乱《かくらん》だ、姫野に繋いでもらいたい」
「畏まりました霍乱様、奥のエレベーターから九階へお進み下さい、係の者が社長室までご案内します」
「分かった、ありがとう」
 エレベーターで九階に上がるとホールにボブカットの若い女性が待っていた。
「お待ちしておりました、霍乱様。姫野の部屋まで私がご案内させていただきます」
 雰囲気からすると姫野の秘書といったところだろうか?
 僕がどこの誰かは聞かされていないようで、二十代前半のその女性は、眼鏡の奥で値踏みするようにこちらを見ながらも、丁寧な姿勢で僕を社長室まで案内してくれた。
「どうぞこちらへ」
 社長室の観音開きの分厚い木製の扉を秘書が開ける。
「お待ちしておりました、霍乱様」
 姫野は真っ赤な絨毯の敷き詰められた社長室の床に素っ裸のまま正座して待っていた。
 メス奴隷らしく真っ赤な首輪以外何も身に着けていない。三十路を迎えたその身体は磨き上げられ、たるみのひとつもない。いつでもどこでも僕を悦ばせるために身体を開くことができる、まさに奴隷の鏡のような女だ。
「社長……あの、その格好は……なぜ……服を……それに、どうして正座を?」
「あら? 黛《まゆずみ》には言ってなかったかしら? この方は霍乱亜門様、私のご主人様なの。私は、霍乱様のメス奴隷なの♥♥メス奴隷はご主人様の前では全裸が正装なのよ、だからなーんにもおかしなことはないの」
「メス奴隷だなんて……社長……何なんですか? ふざけてるんですか? 全然笑えないですよ?」
「姫野、彼女は?」
「申し訳ありません、霍乱様、黛は今年採用したばかりの新卒の子で、秘書として私の部屋に来てまだ一ヶ月にもならないもので」
「前いた秘書の子は?」
「今日は別の業務を頼んでおり、外に出ております」
「あっ、そう、それじゃあ知らなくても仕方ないね。それはそうと今回は色々と世話になったね姫野、モデルの手配、急だったから大変だったんじゃない? その後のデートプランも頼んじゃったし。でもまあ、おかげで彼女を喜ばせることができたよ。ホテルもプレゼントもランチの店のチョイスも姫野に任せておけば間違いないね」
「いえ、霍乱様のメス奴隷として当然のことをしたまでです。ですが、もし許されるのであれば、この場で褒美を頂ければ……」
 全裸で深々と頭を下げる姫野。黛さんだけがわけが分からず右往左往している。
 そりゃあそうだ、どこの世界の青年実業家がたかが学生のデートのためにアレコレと根回しをするというのか。だけどこれが僕達のいつもの関係なのだ。
 ぶっちゃけ、この会社の役員や社長秘書など姫野に近い者達は、この会社の社長が僕のメス奴隷だということをみんな知っている。つーか、この部屋で姫野を犯したことも一度や二度ではない。
 他の役員や秘書に見られながら僕とするのだって姫野は慣れたものだ。なので、僕も誰に見られていても気にしないし、関係ない。
「いいよ、姫野、ご褒美をあげるよ、おいで」
「ああっ、霍乱様、玲香はこの日をずっと待ち望んでおりました♥♥」
「ハハハ、姫野は大袈裟だなあ」
 姫野は仁王立ちで立つ僕の前に膝行《いざ》り寄ると、「失礼致します」と一礼してからおもむろにズボンのベルトを外し、ジッパーを下げてズボンとパンツを降ろし、僕の下半身を丸出しにした。
「しゃっ、社長何をっ! こっ、ここは社長室ですよ、何を!」
 ビックリした黛さんが叫び声をあげるが、姫野は一向に気にした様子もない。それどころか、僕との行為を新人に見せつけたくて、ちょっと自慢気ですらある。
「何って、見たら分かるでしょう? 仕事を一生懸命頑張ったご褒美をご主人様から頂くのよ」
 姫野が剥き出しになったチ×ポを慣れた手つきでゆっくりとしごき続ける。あっという間に僕のチ×ポは硬く大きく勃起していく。
「ごっ……ご褒美というのは? あの……」
 黛さんは恥ずかしそうに両手で顔を覆いながらもやはり気になるのか、指の隙間から僕達の情事を凝視している。
「イヤねえ、メス奴隷のご褒美といったらご主人様のオチ×ポに決まってるじゃない。あなた、社会人なのにそんなことも知らないの?」
 すっかり勃起したチ×ポに姫野が愛おしそうに頬ずりし、うっとりとしている。
「知っ……知りません、私は男の人と付き合ったりとかしたことないので……でも、それでも社長のやっていることはおかしいと思います」
「って、言ってるよ姫野?」
「申し訳御座いません、私の教育が至らぬばかりに、黛のことは後でキチンと躾けておきますので……」
 まあどっちがまともなのかといえば、多分黛さんの方がまともなんだろうけど、姫野をおかしくした張本人は僕だからなあ。
「まあいいよ姫野、おかしいかおかしくないか、黛さんにもそこでよく見ててもらおうよ」
「はい、ご主人様♥♥そのように致します。ということだから、黛、あなたそこで私がご主人様にご奉仕する様子をよく見て勉強しなさい。後であなたにもやってもらいますからね、これは社長命令よ」
 姫野の指示に黛さんは完全に固まっていた。
二 腐女子も魔眼からは逃げられない


「しゃっ、社長……そんな命令……困ります……私……男女交際の経験もないし、そんなこと……男の人にそんなことできません」
 突然の社長命令に黛さんが困惑しオロオロしている。
「やったことない、やったことないって言ってやらずにいれば、いつまで経ってもできるようにならないでしょう? それに最初は私がやって見せるんだから、やったことなくても大丈夫よ」
「そうかもしれませんが社長、こんなこと我が社の業務にはありません! 業務と関係ないことを立場を利用して強要するなんて、そんなのハラスメントじゃないですか! 私は男の人の相手をするのなんて嫌です、断固拒否します!」
「そんなに我が社の業務と関係ないかしら?」
「当たり前です、男性に性的なサービスをするような部門は我が社にはありません! こんなの我が社の業務と全然関係ありません!」
「そうかしら? 我が社はエステティックサロンを経営している会社よ? 顧客はほぼ全て女性だけど、別に男性を断っているわけではないわ。そして、男性に対する施術として……メンズエステとしてならこういうこともするんじゃないかしら?」
「そんなの社長が思いつきで言ってるだけじゃないですか! 今日の社長おかしいですよ!」
「やれやれ、最近の若い子は頑固ねえ」
 そうは言うものの姫野は大して黛さんには興味がないようで、視線は僕のチ×ポから全くブレないし、チ×ポを撫でたりしごいたりも一切やめない。
 ご主人様の前で自分の会社の新入社員が無礼なことを言ってるから対応はしてるものの、気持ちは完全にチ×ポの方へ行っているといった感じだ。ちなみにめちゃくちゃ気持ちいい。
 そんな僕達の情事を黛さんは恥ずかしそうにずっと見ている。自分がやるのはイヤだけど、興味がないってわけでもないようだ。
 しかし、社会人なのに男女交際の経験が一切ないと言うのは本当だろうか? だとしたら、僕の魔眼も効果がないはずだが。
「黛さん、ちょっといい?」
「なっ、何ですか? 何を言われたった私はそんなこと……」
 眼帯を外し魔眼で黛さんを見つめると、ゼンマイが切れた人形のように急に動きを止める。
「あれ? 魔眼効いたぞ?」
 男女交際したことないって言ってたのにどういうことだ? 奈央《なお》の時みたいにこの人も女性が好きってパターンなのか?
「ねえ、黛さん」
「はっ、はい、何でしょう?」
 頬を赤らめ恥ずかしそうにもじもじする黛さん、さっきまでの僕に対する態度とだいぶ様子が違う。うん、間違いなく魔眼が効いているな。
「黛さんは、男女交際とかしたことないって言ってたけど、恋愛に興味がないの? それともたまたまチャンスがなかっただけ? 今は好きな人とかいるの?」
「えー、それ聞いちゃいますー?」
 なんだか急に砕けた感じになる黛さん。社会人として、社長秘書としての仮面を脱ぐとこの人は普段はこんな感じなのか?
「ちょっと黛、ご主人様に対して何なのその言葉遣いは!」
「まあまあ、いいから、姫野は気にせず目の前のチ×ポに集中して。ほら、好きにしゃぶっていいから」
「はい♥♥ありがとうございます♥♥」
 両目をハートマークに変えた姫野が僕のチ×ポを口いっぱいに頬張り、じゅぼじゅぼとしゃぶり始める。
「はぁ♥♥オチ×ポ♥♥ご主人様のオチ×ポ♥♥ザーメンとマン汁がこびり付いてしゅごい匂い♥♥んおぉぉおいひぃ♥♥あぁぁ幸せ♥♥オチ×ポだいしゅき♥♥はぁぁご主人様ぁ♥♥しゅきぃ♥♥玲香はご主人様のメス奴隷になれて本当に幸せですぅ♥♥」
 こうなってしまえばもう姫野はチ×ポのことで頭がいっぱいだ。僕達の話に口を挟んでくることもない。
 さて、では改めて。
「ねえ、黛さんの恋愛観てどんな感じなの? 教えてよ?」
「んー、私としてはー、そいういうのはあんまりおおっぴらにしてないんだけどー、でも、霍乱君になら、教えてあげてもいいかなあ。霍乱君ってー、左目が紅くて格好いいよねえ、なんかマンガとかに出てきそう」
 魔眼の効果で僕に対して好意は持っているものの、発情するところまでは至っていないようだ。効果に個人差がある理由は未だによく分からない。
「ありがとう、気味悪がられることの方が多いからそう言って褒めてもらえると嬉しいな」
「そう? そう? 私ってばそういうちょっと陰がある感じに弱いのかも、なんか……尊いってなっちゃうのよねえ」
 尊いって何だ? どういう意味だ?
 ニュアンスからすると褒められてるんだろうけど……
「えーと、黛さんは年下の男子が好みなの?」
「好みっていうか、好物です、大好物! 世の中に美少年以上に尊いものはないっていうかぁ、美少年の笑顔でご飯三杯食べられるっていうかぁ、とにかく美少年は正義なんです!」
「えっ、あぁ、そうですか……」
 なんか、思ってたのと全然違う答えが返ってきた。熱量が凄いんだけど、さっぱり意味が分からない。
「あの、じゃあ、そういう美少年といつかは交際したいってことなのかな?」
「なーに言ってるんですか? 全然違いますよ! 美少年というのは、愛でるものなんです! 自分が付き合ってどうするんですか! そもそも私は男女交際なんてものには興味がないんです。あんなの、どうやって言葉で飾ったって結局は生殖行為じゃないですか! 自分の遺伝子を残したくて悪あがきしてるだけですよね? そんなは愛情とは呼べないと思うんですよ! 獣みたいに発情して男も女も交尾がしたいだけじゃないですか?」
「えっ? あっ? そっ、そうだね、うん、でもセックスは気持ちいいよ?」
「だからぁ、それじゃあ動物と変わらないってことですよ! 産卵のために川に戻ってきた鮭は恋愛してますか? してませんよね? 交尾がしたくてミンミン鳴いてる蝉は? 綺麗な羽を見せびらかしている孔雀は? 真の愛情はそんなもんじゃないんです!」
 物凄い熱弁を振るっているが、じゃあこの人は美少年の何が好きなんだろう?
 愛でるってどういうことなんだ? 好きな人とキスしたりとか、抱き合ったりとかしたくないんだろうか?
「あの、ちょっと、落ち着いて……じゃあ、黛さんの考える真の恋愛っていうのはどういうものなの?」
「そんなの、BLに決まってるじゃないですか! BLこそが真の恋愛、BLこそが真実の愛なんです! 自分の遺伝子を残すためでも子孫を残すためでもない、ただお互いを愛し合う無償の愛、それこそがBL、BLこそが真理なんです」
「えーと……」
 BL?
 BLって何?
 Bluetooth? それともbloomberg? イヤ違うな、絶対違う。
 これはアレだ、前後の文脈から類推するにいわゆる同性愛的な何かだ。
 つまり黛さんはアレだ、腐れ……違う……腐女子……そう腐女子ってやつだ。
 うーん、こんな時どんな顔すればいいのかな? よく分からないや。
 笑えばいいのかな? いや、笑ったら怒られるかな?
 黛さん、大真面目に力説してるしなあ……
 でも、本当に男女交際に全然興味ないのかなあ、そうは見えないけど……
「ねえ、黛さん、ちょっといい?」
 姫野の一心不乱のフェラチオをやめさせ、黛さんの方へと歩み寄る。
「ああっ、ご主人様、オチ×ポミルクまだ飲ませていただいてないのにぃ……」
「悪いな、姫野、ちょっと待っててくれ」
 姫野が名残惜しそうにしているが、特に気にする必要はない。
 僕が待てと言えばアイツは幾らでも待っている。なんなら焦らされるのもご褒美だと思っている節すらある。
「どっ、どうしたの霍乱君……だっ、ダメよ……おねーさんはそういうの全然興味ないんだから。私は、美少年を愛でたいだけで……美少年と恋愛がしたいわけじゃ……そっ、そりゃあ、霍乱君はちょっと格好いいけど……でもダメ、おねーさんはBL一筋なのよ」
「黛さんがどんな趣味で構いませんし、誰を好きになっても自由だとは思うんですけど、だからと言って、男女交際を否定したり、経験してもいないのに拒絶したりするのは違うと思うんですよね。経験した結果として自分には合わないっていうなら分かるんですけど、一切男女交際をしないまま無視し続けるというのは、視野が狭いというか、自分で自分の可能性を潰しているというか、何にしても勿体なくないですかね? だから、僕で試してみませんか?」
 僕が一歩進むごとに黛さんが一歩下がる。
 僕の顔とチ×ポを交互に見続ける黛さんの顔には怯えと興奮の二つの感情が入り混じっている。
「ダメよ、霍乱君、私はBLにしか興味ないんだから……僕で試してなんて……そんなこと言って大人をからかっちゃ、ああっ!」
 下がり続けて壁際に追い詰められた黛さん、もう逃げ場はない。
「逃げないで下さい、黛さん。姫野が言ってたじゃないですか、やったことないことはいつまで経ってできるようにはならないって。やってみると意外と気に入るかもしれませんよ、男女交際も」
「だっ、ダメよ……どうせ私なんか……誰にも相手にされないもの……可愛くないし、スタイルだってよくないし……流行りの服とか興味なくて……趣味のBLの話も浮いちゃうし……」
 おどおどした口調でそんな話を始める黛さん。恥ずかしいのか下を向いて僕の顔を見ようとしない。
 まあ、その代わりに勃起チ×ポをガン見してるわけだが。
「そんなことないですよ、黛さん。黛さんはとても素敵な女性です、もっと自分に自信を持って下さい」
「えっ?」
 黛さんの表情がぱぁぁっと明るくなる。
 あっ、この女はやれる。
 押せば堕ちる。
 何百という女をものにしてきた僕の経験がそう告げている。結局、BLがどうとかいうのは言い訳で、一番は自分に自信がなかったんだろう。
 私はモテないんじゃなくて、興味がないだけ。自分がモテないことをBLを盾にして自己正当化して誤魔化していたんだ。
 学生時代に何かイヤな経験でもしたのかな?
 勿体ない。自分がどれだけ魅力的なのか分かっていない。
「僕、初めて見た時から黛さんのこと素敵だって思ってました」
 耳元で囁いてあげると、真っ赤になって顔をあげる。
「わっ、私は、だって、だって……」
「やっと僕を見てくれましたね」
 顎をクイッと持ち上げてそのまま問答無用でキスをする。
「!!!」
 黛さんの表情が一気に蕩けていく。
 さて、男女の生殖行為が本当にくだらないものなのかどうか、身をもって体験してもらおう。

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