絶倫ボディに生まれ変わり、ハーレムを呼び込む体質になった誠也。
夏休み、生徒会のみんなと誠也の家で開催された勉強合宿で
クールなご令嬢・歌島桜花が仕掛ける逆夜這い! とっておきの処女を捧げられ……
幼馴染の梨紗、フィリ、リリシス、春菜、詩織との恋人関係に桜花も加入!
六人の彼女を誰一人悲しませず、最高に幸せで淫らな宴は終わらない!
桜花とのリムジンエッチを書き下ろし収録! 大人気学園ハーレムノベル!
第四章 神秘的なお嬢様
◇第六十四話 歌島桜花は乾いていた
◇第六十五話 その先輩・あまりにも規格外
◇第六十六話 肩もみとは健全な行為である
◇第六十七話 お姉さん達の反撃
◇第六十八話 お仕置きされる為にお仕置きする(哲学)☆前編☆
◇第六十九話 お仕置きされる為にお仕置きする(哲学)☆中編☆
◇第七十話 お仕置きされる為にお仕置きする(哲学)☆後編☆
◇閑話 合宿前合宿前夜
◇第七十一話 合宿前合宿開始……の前の朝奉仕
◇第七十二話 ドキッ♡女の子だらけの勉強会(深い意味は無い)
◇第七十三話 清らかな水のように透き通った美少女
◇第七十四話 少しの不安
◇第七十五話 神様はそんなものじゃありません
◇第七十六話 腹を決めた乙女
◇第七十七話 バスルームハプニング
◇閑話 ムラムラしたら発散しよう
◇第七十八話 罰ゲームと布団のパラダイス
◇第七十九話 真夜中の……
◇第八十話 幾星霜の想いと共に捧げます
◇第八十一話 宴の夜
◇第八十二話 天使達は淫らに踊り、神はその舞踊を慈しむ
◇第八十三話 天使達の愛 その身を使って奉仕する喜び
◇第八十四話 二人の天使は大の仲良し
◇第八十五話 そして物語は原点へ
◇特別書き下ろし 桜花繚乱
本編の一部を立読み
第四章 神秘的なお嬢様
◇第六十四話 歌島桜花は乾いていた
私《わたくし》の名は歌島桜花《うたじまおうか》。
日本を代表する大企業、歌島コーポレーションの跡取り娘です。
突然ですが、自分の人生が乾いていると感じたことはありませんか?
私はあります。
平安時代から続いている由緒ある家柄である我が歌島家は旧華族にも繋がりを持つ歴史があるそうです。
え? 何故そんな他人事みたいに言うのか?
だって自分の家の歴史なんて所詮は過去のことではありませんか。
いくら平安時代から続く由緒あるだのと言われても、私の人生に潤いを与えてくれたわけではありませんもの。
さて、みなさんは想像したことはありますか?
全てが思い通りになり、全ての願いは叶い、全ての者が自分に跪《ひざまず》く。
初めからこんな環境で育った私は、何を生きがいにすればいいのか分からない、空っぽの人間に育ってしまいました。
伝統ある家柄に生まれ、あらゆる英才教育を受けさせられてきた私にとって現実生活は退屈そのものだった。
教育のレベルもさることながら、どうやら私の才能も非凡たるものであったらしい。
知識、教養は黙って聞いていても吸収でき、特に努力することもなく高いレベルを実現できてしまう。
私は苦労というものを知らずに育ったのです。
家柄、資産、教養、そして誰もが憧れる美しい容姿。
私は全てに満たされていた。全てに満たされて……乾いていた。
その原因は歌島家の血筋に時折現れる才能『神力』と呼ばれる力の影響なのです。
歌島は、日本の経済発展にも深く関与してきた由緒ある家柄。
故に不可思議な世界にも縁が深く、一般人が知り得ない超常的な世界にも造詣が深い。
私はその歴史ある歌島の娘達の中でも特に秀でた神力を持った子供なのだそうです。
神力とはあらゆる才能を伸ばし、人間には不可能な現象や奇跡すら起こしてしまう人外の力なのです。
霊的な存在ともコンタクトが取れる力を持った血筋ですが、その力は年々薄れていき、今では存在を感じ取れる者も僅かとなりました。
しかし外面的には全てに満たされている。それは羨望の眼差しを生むが、私にとっては何の意味もない。なぜならそれは自分で獲得した力ではないのですから。
本人はなんの努力もなく全てが手に入ってしまう。
こんなに白ける人生があるだろうか。だから私は自分の思い通りにならない出来事に遭遇したかった。
歌島は古き家柄のせいなのか時代錯誤の絶対君主制をとっています。
女系家族であり、我が家ではお母様が一番。当主の言うことは絶対。
優秀な人間以外は必要なく、存在すら許されない。これまでいつの間にかいなくなった配下を何人も見てきました。しかし、その厳格なしきたりにも例外はあります。
それは、神力を強く有する者はたとえ女児であろうとも当主に次ぐ権限を持つことを許される、ということです。
私の神力は歴代の当主の中でも断トツに秀でているらしく、幼い頃から神力による才覚を遺憾なく発揮してきた私に対して、当主であるお母様以外口出しする権限を持ちません。
お母様の姉妹や親族達もかなりの権力を持っていますが、私の権限はそれよりも上。
しかし私はそれを行使することはありませんでした。
全てに乾いていた私にとって、家族の温もりは最後に残された唯一の安らぎ。
それを家のしきたりなどで壊してなるものですか。
お父様のいない私がお母様に特別扱いされてしまっては、私は本当に人生の希望を失ってしまうのですもの。
親族はお母様の財産を付け狙うハイエナばかり。しかし、その願いは虚しく。
私は学生生活の終わりと同時に当主になるべく本格的に学びを深めなければならず、去年を境に母とは距離を置いて生活することを言いつけられました。
歌島家では思春期に入った頃から会社組織を運営し、将来の歌島グループを率いていくための訓練が始まります。
いかに神力の持ち主といえど、当主命令で行われるこのしきたりだけは逆らうことを許されないのです。
普通は中学生に会社運営をさせるなどしませんが、政府にすら発言権を持つ歌島家ではその程度のことは造作もありません。
全ては我が家の更なる発展のため。私はより優れた血筋を残すため、将来はお母様が決めた男性と結婚することを義務づけられている。
しかし、私はそれがいやだった。自分の人生を捧げる相手は自分で見つける。
今まで一度としてお母様に逆らったことのなかった私が初めてそれに背いてお願いしたのです。
その意志を汲んでくださり、学園卒業までに見つけることができれば許してくださるとおっしゃってくださいました。
だから、私は人生の伴侶を学園卒業までに見つけなければならなかったのです。なぜ厳格な家柄で血筋を大事にする歌島家でそれが許されたのか。
それにはもう一つ理由があります。私が神力に秀でているのは歴代で断トツという話をしました。
その証左として、私にはこの家の守り神である精霊様が直接守護についてくださっているのです。
確かに小さな頃から人ではない何かの存在を感じており、時折降りてくる声に従って動くと必ず自分にとって有利な現象が起こりました。
実はお母様も同じ声を聞いており、お母様の代になってから歌島は更に大きく発展してきたそうです。
私が生まれて声が聞こえなくなったそうですが、どうやら守護が私に移ったのが原因のようで、その事を小さな頃から言い聞かされてきました。
私が歴史と伝統ある等星女学院ではなく、普通の学園生が通う加美佐馬《かみさま》学園への入学が許されたのも、精霊様が導いてくれたおかげと言えるのです。
全てに満たされ、全てが与えられ、何も勝ち取ることが許されなかった、その環境すら与えられてこなかった私が、人生で初めて思い通りにならなくなる存在と出会うことになるのです。
それが、神沼誠也《かみぬませいや》先輩との出会いでした。
◇第六十五話 その先輩・あまりにも規格外
あれはまだ数ヶ月前のことです。
私は衝撃的な出会いをしました。神沼誠也先輩との出会いです。神沼先輩と出会ったのは入学式の日。
私は以前から懇意にしていた小牧原春菜《こまきはらはるな》先輩の誘いで生徒会に入ることが決定していました。
そこにいたのです。神沼誠也という男性が。
私にとって男性とは視界に入れる必要のない存在でした。羨望と、欲望の眼差ししか向けられてこなかった。私の容姿は人目を惹き付けます。
政財界のパーティでも名のある家の御曹子と顔を合わせていましたが、彼らは皆わたくしの容姿しか褒めない。
誰も私の中身を見ようとしない。それも仕方ない。だって私は空っぽだから。
顔の造形が整っているだなんだと言われてもそれは親から与えられたものであり、遺伝子の組み合わせにすぎない偶然の産物です。
誰かに私の中身を見て欲しかった。だって本当の私は空っぽなんかじゃない。
感情だってあるし色々なことを考える。考えてきた。でもそれを表に出すことは許されなかった。
歌島家の娘として相応しい行動をしなければならないのだから。そんなこと、誰にも理解してもらえるはずもない。だって自分から心を閉ざしているのだから。
いつしか不快に思うことすら億劫になり、目の前にいても生物と認識しなければ感情が動かずに済みました。
入学式を終え、私は早速春菜先輩に連れられて生徒会室へと行きました。
詩織先輩、梨紗先輩ともそこで出会いました。正直に告白すると、初めはこの二人のことも見下していたのです。でも、詩織先輩の本質はどういうわけか私と同じ種類であるような気がした。
表面的には分からないけど、裏側に潜んでいる彼女のストレスは私と同種のものであるように気がついてからは話すごとに意気投合していった。
私は生まれて初めて自分に感情というものがあるのを知りました。
梨紗先輩は一切の隠し事がない純粋で無垢な方。だから他人との付き合いに邪気がまったくありません。
良いことはいい。悪いことは悪い。私が間違ったことをしたら必ず叱ってくれる。
そこには歌島桜花だからという家柄や外面に対する遠慮など一切ありませんでした。
生まれて初めて叱ってもらえた時の嬉しさは、今でも忘れることができません。
誰かに必要とされることがこんなに嬉しいと、その時初めて知りました。でもそれは出会ってから交流を深めていって分かったこと。初めは見下していたのです。
今思うと本当に愚かでした。そして、私の人生で初めて気になる男性と出会うことになる。
その日、入学式の日。
まだ春菜先輩以外で生徒会の仲間達のことを何も知らなかった当時、生徒会室に入ると詩織先輩、梨紗先輩と並んで一人の男性が座っていました。
「初めまして、神沼誠也です。よろしくね桜花ちゃん。あ、初対面でちゃん付けは失礼かな?」
そんな挨拶でした。どこにでもいる有象無象。存在を認識する必要すらない。
私はいつもの無難な対応で完璧な笑顔を作ってみせました。
「初めまして。歌島桜花と申します。よろしくお願いしますわ、先輩」
これで全ての男性は私に気に入られようと媚びを売り始める。そうなると思っていました。
「うん、肩の力抜いていいよ。俺は単なるお手伝い要員で正規のメンバーではないからね」
多分私が緊張でもしていると思ったのでしょう。無難な対応をしたのだから無難な挨拶。組織で先輩と呼ばれる人種がよくやることです。気にするほどのことではありませんでした。しかし、続く一言に私は衝撃を受けることになる。
「だからさ、そんなに苦しそうに笑わなくても大丈夫だから」
彼にとってそれは笑顔が硬いよ、くらいのニュアンスだったのかもしれません。でも、私は生まれて初めて自分の本心を言い当てられたような気がしたのです。
「ちょっと誠也ッ、桜花ちゃんが怖がってるじゃないッ」
「え、いやごめんッ。緊張してるみたいだったから」
「……え?」
私は驚きました。いつの間にか頬を伝う一筋の熱い滴。
その感情は、歓喜と羞恥。慌てて謝る神沼先輩に大丈夫だと言い訳しましたが、嬉しさと恥ずかしさで破顔する自分を止めることができませんでした。
その瞬間、神沼誠也は私に取って男性と認識できる唯一の存在となったのです。といっても、恋をしたわけではない。春菜先輩とはよく恋愛についても話すのですが、私にはまだよく分かりませんでした。
だけど、その日から彼に対して本心を見せないようにますます仮面をかぶりました。
先輩とは色々なことがありましたけど、それは追々お話していきます。大事なことが起こったのは、今月の初め。
七月に入った頃の話です。実はその日の朝、私はいつもはあまり良くない寝覚めが妙に良いことに違和感を覚えていました。気分が妙に高揚する。心が落ち着かないくらい歓喜に震えている。
そして、滅多に話しかけてこない守り神様が示唆を与えてくれました。
『今日、君の人生が変わる』
その一言だけ。まるでずっと待っていた誰かが目の前に現れてくれたのを無意識に喜んでいるかのように、私はその言葉に歓喜した。
謎の高揚感を顔に出さないように意識していつものようにクラス委員の仕事を終えて生徒会室へと足を運びました。
私は衝撃を受けました。心が歓喜して飛び上がりそうになる身体を必死に制御していつもの笑顔を能面のように張り付けて誤魔化した。必死になってその喜びを解放しないように自分を律しました。
一度解き放ってしまえば制御できる自信はまったくなかった。
そのあり得ないほどの巨大な神力を有している先輩に、私は自分を必死に覆い隠したのです。
昨日までは普通だった。今朝感じた歓喜の正体はこれだったのだと気がつきました。
私は今まで自分より強い神力を持つ者に出会ったことがありませんでした。あまりにも大きすぎて全体像が掴めない。まさしく神の力と呼ぶに相応しい。衝撃だった。私にとっては神力とはその人の能力を測るバロメーター。優秀な人間はほとんどの人がこれを有している。
私が求めてやまなかったお方はこの人なのかもしれない。守り神様の導きに従って加美佐馬学園に入学したのは、このためだったのかもしれないと。生徒会室でいつものように挨拶をする。何故だか身体の奥底から湧き上がってくる未知の感覚に戸惑いました。
お腹の下辺りが甘く疼くような、外側ではなく身体の中身、具体的には子宮がキュッと引き締まってジワジワと温かくなっていくような不思議な感覚。
顔が緩みそうになるのを必死に抑え込んでいた。感じたことのないこの衝動が性的な欲求であることを知るのは、もう少し後の話になります。