本販売日:2024/10/23
電子版配信日:2024/11/01
本定価:924円(税込)
電子版定価:990円(税込)
ISBN:978-4-8296-4759-2
陽一の住むマンションのお隣に新しい住人が引っ越してきた!
胸の谷間を見せつけ露出多めの服で迫る陽キャな姉・京香。
雪肌を羞恥で紅潮させる、真面目だけどエッチな妹・霞。
美姉妹と心と身体で繋がって、平凡だった人生が激変!
もう一人の隣人、幼馴染の瑠美との関係にも進展が……
eブックス月間1位の人気作、文庫版限定書き下ろし付き!
プロローグ お隣に美人姉妹が引っ越してきた
第一話 綺麗で陽気でエッチなお姉さん・京香
第二話 清楚で爆乳で男性経験のないお姉さん・霞
第三話 みんな人生に悩んでいる
第四話 おせっかいでウブな隣の幼馴染・瑠美
第五話 新カップル誕生!
第六話 ごく平凡で、すごく淫らな夏休みのひとコマ
第七話 なんでも欲しがる無邪気な同級生・千恵
最終話 陽一の選択
文庫版書き下ろし 四種類の嬌声
本編の一部を立読み
プロローグ お隣に美人姉妹が引っ越してきた
〝ピンポーン〟
明るい陽の差すリビングでテレビゲームに興じていた陽一は、インターホンが鳴らされた音に少し驚いた。この家はマンションだから、来客なら普通はまず一階のエントランスから鳴らされるはずだが、昔ながらの呼び鈴チックなこの音色は玄関からのものだ。
(もしかして瑠美んちの誰かかな?)
付き合いの長い隣人の顔が思い浮かび、小走りで玄関に駆けつけた陽一だったが、扉を開けた先に立っていたのは見知らぬ人物──それも、びっくりするほど美人のお姉さんだった。
「こんにちは~! ぼく、家の人はいないのかな?」
スラリとした手足に八頭身級のスタイル、明るく染められたウェーブがかった長髪、その整った目鼻立ちと彩り豊かで大きな瞳はまるでファッションモデルが雑誌から飛び出てきたかのように華やかで、真っ白な歯がこぼれる笑顔はキラキラときらめいていた。およそ陽一の人生には縁がなさそうなオトナの美女だ。
「え、えっと、その、今は出掛けてます……」
陽一は声が上擦りながらもかろうじて返答することができた。彼の背筋は知らず知らずのうちにぴんと伸びていて、自分よりも背の高いお姉さんの目線に少しでも合わせようとしていた。
「そうなんだ、じゃあお留守番なんだね。実はあたし、この家の隣に引っ越してきたんで挨拶に来たの」
「隣、ですか?」
そういえば、と陽一は気づいた。我が家の右隣には家族ぐるみで仲の良い桂家があるが、左隣はしばらく前に空き家になったきりだったのだ。
「じゃあ1002号室ですか?」
「そうそう! あたしは高野京香っていうの。これからはぼくとお隣さんになるから、よろしくね」
京香と名乗ったお姉さんが陽一に向けてにっこりと微笑んだ。たったそれだけで、少年の心臓はドキリと飛び跳ね喉が渇き始める。
「は、はい、よろしくです……」
陽一は京香から目を逸らし、慌ててカクカクと何度も頭を下げた。
「きゃ~っ、この子かわいい~っ! ねえねえ霞、この子超かわいいと思わない?」
京香の声のトーンが一気に跳ね上がる。
「ちょっと姉さん、何言ってるのよ」
(……え?)
京香の美貌に気を取られていた陽一は、彼女の後ろにもう一人の女性がいることにまったく気づいていなかった。ふと顔を上げると、京香に負けず劣らずの美人が眉を吊り上げている。
「もう~、霞ったらお堅いんだから」
「そういう問題じゃないでしょ。姉さんの方こそ、その子に失礼でしょ」
霞と呼ばれた方の眼鏡をかけた女性は、京香よりも背が低く丸みのある顔とスタイルの持ち主だった。変わらないのは、こちらも大変な美貌の持ち主ということだ。おまけにその身を包んでいる白いニットの胸元が隠しようもないほど盛り上がっていて、人並外れた豊かなバストの持ち主であることがありありとわかってしまう。
「ごめんなさい、うちの姉さんが失礼なことを言って」
ペコリと頭を下げる霞に対し、陽一は「あ、いえ、そんな」とこちらも頭を下げ返す。それを見て姉の方はクスクスと笑った。
「ふふっ、そっちが妹の霞よ。ちょっとお堅いけど悪い子じゃないから、仲良くしてあげてね」
「あ、その、僕は光井陽一です」
「陽一くん、これからよろしくね」
京香が少し顔を近づけて微笑みかけてくると、陽一の顔がかあっと熱くなる。
「あ、その、はい、よろしくです」
「あ~~~ん、やっぱりこの子か~わ~い~い~! ねえ霞、この子うちに連れて帰ってもいい?」
「駄目に決まってるでしょ!」
姉妹はかしましかったが、陽一の胸中はそれどころではなかった。
(こ、こんな綺麗なお姉さんたちがお隣さんに……?)
思春期の少年にとって、それは世間を騒がせるどんなニュースにも勝る一大事件だった。先ほどから心臓のバクバクがまったく鎮まろうとしていない。
しかし、本当の事件はまだ始まってもいなかった。陽一の人生はここから一変していくことになる。