本販売日:2025/04/23
電子版配信日:2025/05/02
本定価:935円(税込)
電子版定価:935円(税込)
ISBN:978-4-8296-4798-1
「母親らしいことをしてこなかった、償いをさせて」
奇跡の再会を果たした生き別れの母は、悩ましすぎた。
慈愛に満ちた手コキ、濃密フェラチオ、大胆パイズリ……
息子に奉仕する紗矢子の身体は火照り、媚肉は濡れ始め……
許されない禁忌を一つ一つ破っていく罪深き母子。
「ああ、幸せ……このままお母さんの中に注いで……」
第一章 生き別れの母からの優しい贖罪
第二章 再会した姉と溺れる絶対禁忌
第三章 母と姉の肉悦が渦巻く淫宴
第四章 家族愛に感化された美人上司
第五章 淫母にめざめた紗矢子のつぐない
エピローグ
本編の一部を立読み
第一章 生き別れの母からの優しい贖罪
「それで……その人と僕を会わせたい、と?」
昼下がりのそば屋の中で、三橋泰之は真向かいに座る蓮見奈々瀬に確認した。
アップでまとめた黒いミディアムヘアが、陽光でキラキラと艶を放っている。
「うん。出過ぎたマネ、ってのはわかるんだけどね……でも、先生のことを放っておけなくて……」
奈々瀬はそう言うと、傍らに置いていたバッグから一枚の写真を取り出した。それを泰之の目の前に差し出す。
「私が通っている料理教室の先生なんだけどね。名前は東雲紗矢子さん。とってもきれいな人でしょう? それに……どことなく、三橋くんに似ている気がするんだよね……」
「…………」
奈々瀬の言うとおりだと思った。写真の中で微笑む女性は、目元や顔の輪郭が自分と似ている気がする。
「その……すごくセンシティブなことだから、私があなたの上司だからって気安く触れちゃいけないってのはわかってる。それに、もし全然関係ない他人だったら、先生にも三橋くんにも申し訳なさ過ぎるし……でも、少しでも可能性があるなら、って思って……。この前、話してくれた内容が……あまりにも先生の過去と重なったからさ……」
「そんな……気を使って頂けるだけでありがたいですよ」
数ヶ月前の飲み会で酔って口走ってしまったことを思い出す。今まで他人にはほとんど話したことのない自身の過去だ。どんなに酔っても決して口にすることはなかったのに、何故か奈々瀬には話してしまったのだ。
「……私は三橋くんには幸せになってもらいたいの。部下だからとか仕事上の関係は抜きにして、一人の近しい男性として、ね」
つり目気味の瞳に柔らかさを滲ませて、軽く頭を傾ける。
泰之は思わずドキリとしてしまった。無意識に視線を逸らしてしまう。情けないと思うも仕方がない。
(主任ってたまにめちゃくちゃ可愛い仕草するんだよな。いや、普段から美人なんだけど……)
彫りの深い顔立ちはすべてのパーツがしっかりしている。鼻筋はスラリと通っていて、グロスを塗った唇も厚すぎず薄すぎずの絶妙な塩梅だ。左右で等しい両眼はややつり目をしているが、決して冷たい印象はない。彼女の性格も相まって、頼れる理知的な雰囲気を醸し出していた。
(それに、おっぱいまで大きいなんて、反則だよなぁ……)
ピシッとしたスーツを着ているものの、胸の膨らみは隠せない。むしろタイトなデザインをしているものだから、大きさがより強調されていた。
細い身体をしているのに、胸はもちろん臀部の質量もたっぷりだ。スカートから覗く両脚も引き締まっていて、撫で回せばさぞかし気持ちがいいに違いない。
(……って、そんなことを考えていい状況じゃない。主任は僕の個人的な問題のためにわざわざ動いてくれているんだから)
こみ上げてきた劣情を追い払う。わざとらしく咳払いをした。
「本当にありがとうございます。僕は……一度お会いしてみたいと思います」
「わかったわ。さっそく次のレッスン後に三橋くんの話をしてみるね」
奈々瀬はそう言うと、神妙な顔持ちで手元のお茶をちびりと飲んだ。
二人の間の会話が途切れる。店内に置かれたテレビでは昼の情報番組が流れていたが、内容はまったく頭に入ってこない。
(会いたいというよりは、会わなきゃいけない気がする……なんだろう、こんな感覚は初めてだ……)
理屈ではなく直感がそう泰之に告げていた。
心臓の鼓動がやたらと重い。暑くもないのに全身が汗ばんで、手のひらが軽く濡れていた。指先は小刻みに震えている。
泰之はテーブルに置かれた写真に目を落とす。柔和な表情と醸し出している雰囲気に、忘れかけていた渇望が蘇る。
そんなはずがない、勘違いに決まっている。そう胸中で何度も否定はしてみるものの、得体のしれない期待感はまったく消えてはくれなかった。
(この人……僕のお母さんじゃないのか?)
今までに経験したことのない感覚に、泰之は困惑するしかなかった。