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疎遠になっていた幼馴染(彼氏あり)をセフレにしてみた 【佐倉花恋&九条水紀編】 2

第二話 幼馴染に窓越しオナニーさせてみた

 

「だあ、疲れたー!」
 学校から帰ってきて自宅のドアを開けるなり、俺はそう叫んでカバンを放り出した。
 そして、どっかと玄関に腰を下ろす。
 時刻はまもなく夜の八時になろうとしている。サッカー部の練習自体は六時に終わったのだが、今日はそれにくわえて二年生有志による自主練がおこなわれたのだ。
 提案者は九条真であり、全国大会出場に向けて部員の結束を固めるというのが自主練の名目だった。
 俺は、くぅ~、と大きく背伸びしながら独りごちる。
「なーにが『先輩たちの夏を最高のものにしてあげよう!』だよ。その先輩たちが必死こいて走ってるときにマネージャーにパイズリさせてた奴のセリフじゃねえわ」
 九条の提案を聞いたとき、思わず吹き出してしまった俺はきっと悪くない。
 幸い、端の方にいたおかげで俺が吹き出したことは九条に気づかれずにすんだが、自主練には参加せざるをえなかった。
 運動部における自主練とは「参加不参加を任意に選択できる練習」という意味ではない。「参加不参加は任意だけど参加しなかった場合はわかってるよな? な?」という威圧的意味を含んだ恐ろしい言葉なのである!
「ま、何も知らずにボールを蹴ってる九条を見てるのも、それはそれで面白かったからいいけどさ」
 俺は玄関を見回して小さく笑う。
 今朝、ここで花恋の口を激しく犯し、最後には放心した花恋の右手を使って射精した。あの後、我に返った花恋はうちの洗面所に走り込み、泣きながら精液まみれの右手を洗っていたが、その姿は実にそそるものがあったと言っておく。
 あの花恋の姿をぜひ九条にも見せたかった。恋人が俺のセフレにされたと知ったとき、あのイケメン同級生はどんな顔をするのだろう。想像するだけで股間の肉棒がむくむくと膨れ上がる。
「と、いかんいかん。お前の出番はもうちょい先だ」
 俺は冗談まじりに股間に向けて呼びかけると、立ち上がってキッチンに移動した。
 冷蔵庫から母親が朝に用意してくれたおかずを取り出し、レンジで温めてご飯と共にほおばる。その後、風呂を沸かして部活の汗を洗い流した俺は、リビングでくつろぎながら花恋にチャットを打った。
 内容は簡単。夜の十一時になったら自室の窓際に立ってオナニーしろ、というものである。
 既読がついたのを確認し、相手の返信を待たずにチャットを閉じる。
 そうこうしている間に両親が帰ってきたので「おかえりなさい」と声をかけてから二階へ移動し、勉強を始めた。
 机に向かって集中することしばし。ピピピ、とスマホのアラームが鳴って十時五十五分を知らせてくる。
 椅子から立ち上がった俺は、万一の両親襲来に備えてカチャリと部屋の鍵をかけると、窓際に歩み寄った。
「さて、花恋の様子はどうかな」
 カーテンをあけて外の景色を確認する。
 視界に映るのは隣の一軒家で、これは言うまでもなく佐倉家だった。
 春日家と佐倉家は距離的にかなり隣接して建てられており、構造もけっこう似ている。俺の部屋から外をのぞくと、正面に大きな窓が見えるのだが、これが花恋の部屋の窓だった。
 少し声を張れば普通に会話することもできる。実際、子供の頃はよく花恋と窓越しに話をしたものである。
 見れば、花恋の部屋の明かりは消えており、窓もカーテンも閉じられている。花恋の拒絶を伝えてくるような光景だったが、俺は閉じられたカーテンの向こうで幼馴染が息を殺していることを確信していた。
 ニヤリと笑ってからスマホを手に取ると、個人チャットではなく通話の方で花恋に連絡をとる。
 呼び出し音が一回、二回、三回と鳴り響き、四回目が鳴ろうとした瞬間、相手が呼び出しに応じた。
『…………はい』
「早く窓越しにオナニーしてみせろ」
 先刻のチャット内容をもう一度伝えると、スマホの向こうから感情を押し殺したような沈黙が返ってきた。そのまま黙っている花恋に向けて、俺は呆れたように告げる。
「いいかげんに学習しろよ。九条との動画を拡散されてもいいのか? これでも互いに親バレしないように工夫してやってるんだぞ」
『だ、だって……窓から、なんて、できるわけ……!』
「なんだ、今から親バレ覚悟でお前の部屋に押しかけてオナニーを見物していいのか? それともお前がこっちに来て股をひらいてくれるのか? 俺はどちらでもかまわないぞ」
『あなたは……っ』
 スマホの向こうから悔しげな声が聞こえてくる。
 だが、どれだけ反抗したところで、俺の手に動画がある以上花恋はこちらに従わざるをえないのだ。
 ややあって、小さなため息と共にスマホの向こうから人が動く気配が伝わってきた。そして、花恋の部屋の明かりがつき、カーテンと窓ガラスが開かれる。
 ようやく姿を見せた花恋は、スウェット姿の俺と違ってきちんとした寝間着を着ていた。
 おそらくはシルク生地の、シンプルな形状のネイビーブルーのパジャマ。シンプルな形状ゆえに花恋の胸の膨らみがはっきりと確認できて、とてもエロい。
 髪もいつものミディアムボブではなく、結い上げてシュシュでまとめている。
 子供の頃はいざ知らず、年頃になってから花恋のパジャマ姿を見るのは初めてだ。俺はニヤニヤと笑いながら、スマホ越しに花恋に言った。
「ほら、早く始めろ」
『うぅ……』
 嫌そうにうめきながら、それでも花恋は俺の言葉に従ってオナニーを開始する。
 きつく目をつむって俺を視界から遮断し、ゆっくりと身体に指をはわせる幼馴染。と言っても、花恋は左手でスマホを持って耳にあてているため、実際にオナニーに使っているのは右手だけ。それもパジャマ越しにノロノロと胸を揉んでいるだけだ。これでは一晩たってもイクことはできないだろう。
 俺は冷たい声で花恋に告げた。
「まったくダメだな。やる気も感じられない」
『そ、そんなこと言われたって、こんなの、恥ずかしすぎるよっ』
「しょうがない。とりあえず、目を開けて俺の真似をしろ」
『真似って……きゃあ!?』
 花恋の口から小さな悲鳴があがり、スマホと肉声の双方から驚きの声が伝わってきた。
 窓の向こうでは花恋が信じられないものを見る目で俺を見ている。
『なんで裸なの!?』
「お前が目をつむって身体をいじっている間にスウェットを脱いだからだよ」
 そう返答した俺は、花恋と同じように左手でスマホを持ったまま、あまった右手で硬くそそり立ったペニスを握りしめる。そして、こちらを見る花恋に見せびらかすように上下にしごき出した。
 花恋があわてたように顔をそむけ、スマホの向こうから「やめてっ」と小さな悲鳴が聞こえてくる。
 俺は幼馴染のうぶな反応を楽しみつつ、無造作に指示を出した。
「お前も早く脱いでオナニーしろ。言っておくが、俺の方が先に射精したらその時点で全部おしまいだと思えよ。部室でパイズリしてた動画も、土下座してセフレにしてと頼んだ動画も、今朝キスした動画も、全部拡散するからな」
『な!?』
 俺から顔をそむけていた花恋だったが、さすがにこの言葉は無視できなかったようだ。あわてて視線を俺に戻し、ぱくぱくと口を開閉させている。
 声を出さないのは何から尋ねるべきかわからないからだろう。
 それと察した俺は、向こうに問われる前にこちらから状況を説明してやることにした。
「セフレになれば動画を拡散しないとは言ったが、他の動画を撮らないとは一言も言っていないぞ」
『セ、セフレになったのに拡散しようとしてるじゃないですか!』
「しょうがないだろ。お前がいちいち逆らうんだから。反抗的なセフレなんていらねえよ」
 吐き捨てるように言うと、花恋は一瞬言葉を詰まらせた。
 だが、ここでひるんだら負けだと思ったのか、必死の面持ちで言い返してくる。
『――っ! そ、その動画を拡散なんかしたら、春日くんだってタダではすみませんよ!? 私が脅迫されたって証言すれば警察だって動くかもしれません!』
「そうだな。で?」
『……え?』
「たしかに俺もタダではすまないが、それがどうした? 俺がその程度のことも覚悟せずにこんなことをしていると思っているのか?」
 そう問い返すと、花恋がスマホの向こうで絶句するのがわかった。
 俺はふんと鼻で笑うと、あらためて花恋に現状を教えてやる。
「いちおう言っとくが、今日は朝のあれ以来オナニーしてないからな。俺が射精するまであまり時間はないぞ」
 そう言ってしこしこと自分のチ×ポを撫でさすっていくと、スマホからせっぱつまった制止の声が飛んできた。
『ま、待って!』
「待たない。俺より先にイきたければさっさと脱げ」
 その言葉でようやく意を決したのか、花恋はスマホを窓枠に置くと、両手でパジャマのボタンを外しはじめた。
 それでもためらいと恥じらいは消えていないらしく、ときどき手の動きが止まりそうになる。
 そのたびに俺はわざとらしく「ああ、気持ちいい」だの「ふう、そろそろイきそうだ」だのとスマホ越しに花恋を煽り立てる。窓枠に置かれたスマホからでも俺の声を聞き取ることはできるはずだ。
 こちらの声に押されるように花恋は脱衣を再開する。俺は段々とあらわになっていく幼馴染の肢体をなめるように鑑賞した。
『……っ』
 スマホの向こうで、ぱさり、とパジャマの上衣が床に落ちる音がした。薄桃色のナイトブラが外気にさらされ、視線の先で花恋がきゅっと唇を噛みしめる。
 俺はここぞとばかりに要求を突きつけた。
「ぐずぐずするな。次はブラ。その次は下もだ」
『う……は、はい……』
 悲しげに涙を流しながらも花恋は俺の指示に従った。
 先ほど俺が花恋に提示した条件は「こちらが射精するよりも先にオナニーで絶頂しろ」というものであり、必ずしも全裸になる必要はない。
 だが、もう花恋はそこまで意識がまわっていないのだろう。あるいは、ここで反論したところでまた俺に動画の件を持ち出され、脱衣を強要されるだけだと判断したのかもしれない。
 いずれにせよ、花恋がこちらの指示に従っているのは間違いない。俺としてはそれで十分だった。
 そうこうしているうちにナイトブラが外れ、メロンを思わせる花恋の豊潤な双丘が視界の中で大きく弾む。
 それを見た俺は思わず息をのんだ。ただでさえ熱かったペニスがさらに熱くなり、無意識のうちに肉棒をこする手の動きが速くなる。
「やば、出そう……!」
 そのつぶやきは先ほどのように花恋を煽る演技ではなく、本心から出たものだった。
 だからこそ、余計に花恋をあわてさせることができたのかもしれない。
『待って、お願い!』
 もう猶予はないと悟ったらしく、花恋はためらいを捨てて両手を腰にあてると、そのまま下着ごとパジャマの下を脱ぎ捨てた。
 そして、右手で股間をさすり、左手で乳房を握りながら性感帯に刺激を送りはじめる。
『ん……ん……あぁ……!』
 スマホからかすかな喘ぎ声が流れてくる。それを聞く限り、さっきよりは気持ちよくなれているようだが、絶頂まではまだ遠そうだ。
「花恋、こっちを向いて俺を見ろ」
『…………は、い』
 スマホ越しに指示を出すと、今にも泣き出しそうな顔で花恋がこちらを見る。
 俺は先ほどと同じように、これみよがしに勃起したペニスを右手で上下にこすってみせた。それを見た花恋はすぐに顔をそむけようとしたが、今度は俺に咎められる前に自分で視線を戻す。
 そして、ひどく嫌そうな顔をしながら俺の肉棒に視線を向けてきた。それが俺の望みだ、と言葉にしなくても理解したのだろう。
 しばらくの間、俺たちは無言でオナニーを続けた。
 スマホから聞こえてくる喘ぎ声は徐々に大きくなりつつある。気づけば手の動きも速くなっているように感じられた。
「気持ちいいか、花恋?」
『……』
 返答はなかった。言葉にしては。
 だが、休むことなく胸を揉み、割れ目を撫でて喘ぎ声を漏らしている姿を見れば、花恋がこのシチュエーションで快感をおぼえていることは明白である。
 俺はさらに言葉を続けた。
「一番気持ちいいところを教えろ。自分の身体なんだ、それくらいわかるだろう?」
『……っ』
 尋ねると、花恋は一瞬ためらうように動きを止めた。
 今の問いに答えるということは「ここが私の性感帯です」と白状するようなものだ。そのことに気づいたのだろう。
 さて、花恋はどんな答えを返してくるのか、などと思いながら黙っていると、花恋はためらいながらも腰を前に突き出した。
 そして、股間の割れ目の上にある小さな突起を指し示す。
「クリトリスが感じるんだな?」
『……は……い』
 力なくうなずく花恋。
 どうやら、もう花恋に反抗する気力は残っていないようだ。そのことを確信した俺はここぞとばかりに追加の命令を下す。
「右手でクリトリスをつまめ。左手は乳首だ」
『は、い……っ』
「俺のチ×ポを見たままこすり続けろ」
『はい……!』
 花恋は自棄になったように強い調子で応じると、言われたとおり二つの性感帯を指でつまんでこすりはじめた。
 それがこの不快な時間を終わらせるためにやむをえずしていることであっても、それでも花恋が――九条の恋人になった幼馴染が俺の命令でオナニーをしているのは事実である。
 征服感でぞくぞくと背筋を震わせながら、俺はスマホの向こうに向けて優しく語りかけた。
「いいぞ、良い子だ。俺に見られながらのオナニーは気持ちいいか、花恋?」
『……っ』
 それを聞いた花恋は顔を真っ赤にしてうつむく。
 俺はすかさず叱責の言葉を放った。
「目をそむけるな! ちゃんと俺のチ×ポを見ろ!」
『は、はい!』
 低い声で怒鳴りつけると、花恋は弾かれたように顔をあげて俺の股間を凝視した。そして、そのまま懸命に両手でクリトリスと乳首をこすり続ける。
 ほんの一週間前まで、花恋のこんな淫らな姿を見ることができるとは想像もしていなかった。ペニスを握る手の動きが自然と速くなる。
『はあ、はあ……♡ ん、ああ……♡ ふ、ふぅ……ああんっ♡』
 スマホから聞こえてくる喘ぎ声が俺の興奮を加速させる。
 俺は花恋に向けて最後の指示を出した。
「イクときはきちんと口に出せ。花恋がどれだけ気持ちよくなっているのか、ちゃんと俺に伝えるんだ」
『は、い……わかりました……♡』
 快楽に濡れた幼馴染の声が耳朶を震わせる。互いのスマホから言葉が失われ、喘ぎ声と荒い息づかいだけが部屋の中に響いている。
 そうして、花恋の声の抑制が失われる寸前、それは訪れた。
『あ♡ あ♡ 春日くん、わ、私、イきそうですっ♡』
「いいぞ。思いきりイけ、花恋!」
『ああっ♡ ああっ♡ だめっ♡ もうだめっ♡ い、くぅぅぅぅぅ!♡♡♡』
 花恋の口からどこのAVかと疑うほどの嬌声があふれ出し、幼馴染の身体が痙攣するようにビクビクと震える。
 股間の割れ目からぶしゃあっとあふれ出たのは潮だったのか、おしっこだったのか、俺の位置からではわからない。
 俺にわかったのは、幼馴染の少女がかつてない快楽に飲み込まれて絶頂したということ。そして、幼馴染にその絶頂を与えたのが他ならぬ自分であるということだ。
 それを意識した瞬間、脳髄を焼き切るほどの鮮烈な快感をおぼえた俺は、睾丸から駆けのぼってくる衝動に突き動かされるままに、窓の向こうの花恋に届けとばかりに盛大にザーメンを吐き出した。

◆◆◆

「ん、ん……ぷは! はぁ、はぁ……ん、むちゅ……くちゅ……あ、んんんっ!」
 窓越しに互いのオナニーを見せ合った翌日、俺と花恋は昨日と同じように玄関で唇を重ねていた。
 ただし、やり方は昨日とは違う。欲望のままに唇をむさぼるのではなく、ゆっくりと優しく、それでいて情熱的に花恋の唇を塞ぎ、みずみずしい感触を味わっていく。
 そうしながら背中に手をまわすと、花恋がおびえたようにビクリと身体を震わせるのがわかった。昨日のように強引に身体を押さえつけられ、無理やり口内をかきまわされると思ったのかもしれない。
 俺はおびえる幼馴染をなだめるようにぽんぽんと背中を叩く。
 背中にまわした手は拘束のためのものではなく、抱擁のためのもの。そのことが伝わったのか、花恋の身体から少しずつ力が抜け落ちていく。
 相手から緊張が抜けたと見て取った俺は、キスを中断して花恋の耳元に口を寄せてささやいた。
「花恋も俺を抱きしめてくれ」
 少しの間を置いて、花恋の手がおずおずと俺の腰にまわされる。さすがにそれ以上は厳しかったのか、情熱的なハグというわけにはいかなかったが、彼氏持ちの幼馴染と恋人のように抱き合う行為は俺の征服欲を心地よく刺激した。
 すかさずキスを再開した俺は、そのまましばらく花恋の唇の柔らかさを堪能する。
 できればもっとこの柔らかさを味わっていたかったが、今日は他にもやりたいことがある。俺はやむをえず花恋から顔を離した。
 その際、ふといたずら心が芽生えて、花恋の背中につつっと指をはわせると――
「ふああっ♡」
 花恋の口から驚くほど色っぽい声が飛び出した。昨夜の痴態を思い起こさせる喘ぎ声が玄関に響く。
 俺も驚いたが、俺以上に驚いたのは声をあげた当人だった。花恋はただでさえ赤かった顔を首筋まで真っ赤に染めると、何かを否定するようにあわてて首を左右に振る。
「あ、や、今のは違います! その、違うんです!」
 俺は相手を落ち着かせるために頭を撫でてやる。
 子供扱いされたと思ったのか、それとも背中を撫でた悪戯への抗議なのか、花恋は可愛らしく「うー」とうなると、恨みがましく唇を尖らせた。
 その後、俺は花恋をうながしてリビングに場所を移す。
 俺自身はソファに座ってスマホを構え、花恋を目の前に立たせた。その目的は次のとおりである。
「スカートをたくし上げて下着を見せろ」
 俺が自分の欲望を言葉にした途端、花恋はきゅっと形の良い眉をひそめ、不満そうに俺を見つめてきた。両手の拳は怒りをこらえるように強く握りしめられている。
 これはまたグズグズ文句を言ってくるな、と予想して内心で身構える俺。
 だが、意外なことに花恋はそれ以上反抗的な態度をとろうとはしなかった。
 自身を落ち着かせるために何度か深呼吸した花恋は、意を決したように両手でスカートの裾をつまむ。
 俺は思いのほか従順な相手の態度に内心で首をかしげたが、冷静に考えてみれば、花恋は昨夜下着どころかその下の性器までがっつり見られているわけで、今さら下着を見せるぐらいでうろたえる必要はなかったのかもしれない。
 そんな風に相手の内心を推測していると、不意に花恋が口を開いた。
「……あの、お願いがあります」
「なんだ?」
「あなたの言うことは、ちゃんと聞きます。だから……動画を撮るのは、やめてくれませんか?」
 それを聞いた俺は不機嫌そうに、ふん、と鼻で息を吐く。それを聞いた花恋がビクリと身体を震わせてこわごわと俺を見た。
 俺の表情を見た花恋はこちらの機嫌を損ねてしまったと判断したらしく、あわてて謝罪の言葉を口にしようとする。
「ご、ごめんなさ――!」
「わかった。動画を撮るのはやめてやろう」
「…………え?」
 あっさり要求をのんでやると、花恋は呆気にとられたように俺を見た。
 俺はぽかんとしている花恋にニヤリと笑いかける。
「ああ、もちろん動画は撮らないけど写真は撮る、なんて小細工もしないぞ。データとして記録に残すような真似はしないと誓う」
「い、いいんですか?」
「いいとも。ただし、そちらも条件を守ってもらうぞ」
 今、花恋は自分の口で言ったのだ。
 あなたの言うことはちゃんと聞く。だから動画は撮らないで、と。
 それはつまり、花恋が俺の言うことに従わなかった場合、動画を撮ってもかまわないということである。俺は花恋の許可のもとで堂々とエロ動画を撮影できるのだ。
 そう告げると、花恋はようやく自分のうかつさに気づいたのか、顔を強張らせた。
 俺はくすくす笑いながら幼馴染に問いかける。
「どうする? 発言を撤回するか? その場合、今から撮影会になるが」
「……いいえ、撤回はしません」
「どうあっても従えない命令を出して、無理やり恥ずかしい姿を撮影するかもしれないぞ?」
 意地悪く尋ねると、花恋はきゅっと唇を引き結び、挑むように俺を見た。
 その時はその時です、と花恋の態度が告げている。
 たぶん、俺が今言ったような真似をしたら出るところに出るつもりなのだろう。親や学校に訴えるか、警察に駆け込むか、ひょっとしたら包丁を持ち出して俺を刺しに来るかもしれない。
 まあ、それはどうでもいい。はじめからそんなまどろっこしい手段をとるつもりはないからだ。
 俺はパチンと手を叩くと、唇の端を吊りあげた。
「よし、それじゃあ契約成立だな。言ったとおりスマホはしまう。そちらは下着を見せてくれ」
 そう言ってスマホを制服のポケットにしまいこむ。
 それを見た花恋は、何かを思いきるように大きく息を吐き出した後、スカートの裾をつまんだ手をあげはじめた。
 段々とあらわになってくるふとももの白さに目を奪われる。気がつけば、ごくりと唾を飲み込んでいる自分がいた。
 昨夜これ以上のものを見たはずなのだが、正直なところ今の方が興奮している。
 というのも、あの時は花恋と距離が離れていた上に明かりも少なかった。対して、今は花恋が手の届く距離にいる。朝日が差し込んでくるリビングは光量もたっぷりだ。
 どちらの方がしっかり女体を鑑賞できるのか、比べるまでもないだろう。
 つけくわえれば、俺にとってこのリビングは見慣れた日常風景の一部である。そこであの花恋がスカートをたくし上げて下着をあらわにしようとしているのだ。興奮しないわけがなかった。
 俺は生唾を飲み込みながら眼前の光景に意識を集中する。記録には残さないと誓ったが、記憶に残す分には何の問題もないだろう。
 当然と言えば当然ながら、花恋の手の動きは遅かった。それでも決して動きを止めたり、スカートから手を離したりしないあたりに花恋の覚悟が見て取れる。
 やがてふとももの付け根があらわになり、股間を覆うライトブルーの布地が見えた瞬間、俺は思わず「おお!」と嘆声を発してしまった。
「……っ」
 こちらの興奮が伝わったのか、花恋は顔を真っ赤にして視線をそらす。
 そして、震える声でおそるおそる問いかけてきた。
「もう、いいですか……?」
「駄目だ。全部見えるまで上げろ」
「うう……」
 恥ずかしそうにうめきながらも、花恋は俺の言うとおりにスカートをたくし上げていく。
 およそ三十秒後。
 花恋の手によって制服のスカートは大きくたくし上げられ、清楚な下着がはっきりと姿をあらわした。
 俺はカッと目を見開き、食い入るように花恋の股間に視線を注ぐ。
 ライトブルーのシンプルなショーツ。白い小さなリボンがついているのが可愛らしい。布地にはこれも白い花の刺繍が施されていて、清楚さと高級感の双方を演出していた。
 黒や赤といった派手な色ではなく、紐で結ぶような「いかにも」な下着でもない。あつらえたように俺好みの下着だったことに我知らず満足の息を吐く。
「……素晴らしい」
 思わずつぶやくと、それを聞いた花恋が羞恥に震えながら口を開いた。
「も、もう、いいですよねっ?」
「まだだ。そのままスカートを持っていろ」
 ここで終わるなんてとんでもない。
 視覚で満足したのなら、次は触覚を満足させなければならない。触覚だけではない。嗅覚も聴覚も、なんなら味覚もだ。
 俺は無造作に花恋の股間に手を伸ばし、ショーツ越しにゆっくり割れ目を撫で上げる。
 性器に俺の指の感触を感じた花恋が腰を引いてスカートを下ろそうとするが、俺は威圧的な声でその行動を制した。
「動くな!」
「ひっ!?」
 鞭打つような叱声を浴びせられた花恋が、凍りついたように動きを止める。
 俺は低い声で言葉を続けた。
「スカートを上げて腰を前に突き出せ。二度は言わないぞ」
「は、はい……」
 彼氏でもない男の前でスカートを上げさせられ、秘所を凝視された挙句に無遠慮に割れ目を撫でられた。たまらず逃げようとすれば、声を荒らげて叱責される。
 理不尽な仕打ちの連続に花恋は涙目になるが、それでもスカートを上げ直し、ぐっと腰を突き出してきた。幼馴染を自分の思いどおりに動かせたことに満足しながら、俺は右手の人差し指を使ってショーツ越しに割れ目を撫で上げ、なで下ろし、また撫で上げる。力はほとんど入れず、軽くさするように。大切なのは指を上下させる際、クリトリスをかすめるように動かすことだ。
 そこが花恋の性感帯であることは昨日の夜に判明している。
 敏感な器官だから激しく刺激するのは避けた方がいいだろう。俺はショーツの上から優しくクリトリスをさわりつつ花恋の反応を確かめた。
「ん……ふ……ふぁ! あ、やぁ……はぁ、はぁ……♡ ん、く……んあっ♡」
 頭上から降ってくる花恋の声が、徐々に喘ぐような響きを帯びていく。
 気がつけば、ライトブルーのショーツがじっとりと湿りはじめていた。性器の割れ目に沿うようにうっすらと浮かび上がった染みを見て、俺はくくっと喉を震わせる。
 当人は気づいていないようだが、花恋は俺の指がショーツの表面を上下するたび、より強い刺激を求めて腰を前に突き出してくる。それに気を良くした俺が円を描くようにクリトリスの周囲をさすってやると、花恋はたまらない様子で身をよじった。
「はあああ……っ♡」
 ビクンビクンと腰を震わせる花恋を見て、俺は短く言った。
「脱がすぞ」
 短く告げた俺は、相手の返答を待たずにショーツの両端に指をかけ、一気に膝までずり下ろす。
 本当はもう少し時間をかけて下着を脱がせ、向こうの羞恥心を煽ろうと思っていたのだが、ぴちゃぴちゃと水音を立てて淫らな匂いをまき散らす花恋の性器を前にして、これ以上時間をかけるのは不可能だった。俺の自制心はそこまで強靭ではない。
「あぁ……!」
 俺がショーツをずり下ろすや、女の子の一番大切な場所が外気に触れたことを感じ取った花恋が、悲鳴とも嬌声ともつかない声をあげる。
 俺はと言えば、幼馴染のおマ×コを前に声も出なかった。
 ほどよく盛り上がった恥丘と、その恥丘を申し訳程度に隠す短い陰毛。ペニスを受けいれる割れ目は内からあふれた愛液でテラテラと濡れ光り、割れ目の上部にはぷっくりとふくれたクリトリスが突き出ている。
 息をのむほどに淫らな情景。
 昨日の時点でわかっていたことだが、花恋は日頃クリトリスで快感を得ていたようで、俺がさわるまでもなくクリトリスの皮は自然にむけていた。
 早く撫でてと言わんばかりにふるふると震えるクリトリスを見やりながら、俺は花恋の股間に顔を近づけていく。そして、あーんと口を開くと、そのままぱくりとクリトリスをくわえこんだ。
「ひあああっ!?」
 たまらず花恋が悲鳴をあげてスカートから手を離す。スカートが俺の頭にふわりと降ってきて視界が闇に閉ざされた。
 スカート越しに俺の頭をつかんで股間から引き剥がそうとする花恋。
 俺はかまわず口に含んだクリトリスを舌先でツンツンとつっつき、次いで円を描くようにペロペロとなめまわす。それから乳首を吸うようにクリトリスを勢いよく吸い上げた。
「ふああああっ!? や、だめ! 春日くん、なめないで! そこダメ、ダメなの! あああ、吸っちゃだめぇぇぇ!♡♡」
 花恋は俺の頭をつかみながら必死に訴えたが、その言葉は俺の興奮をかきたてることはあっても、俺の動きを制することはできなかった。
 花恋はなんとか俺の舌から逃れようと懸命にお尻を振るが、そんなことをしたって俺の舌から逃げられるわけがない。
 それでもなめにくいのは確かなので、俺はスカートの中に両手を突っ込んで逃げ惑うお尻をわしづかみにした。
「はうあっ!?」
 生尻を揉まれた花恋の口から甲高い声があがり、お尻の動きが止まる。
 俺は柔らかい尻肉の感触を堪能しつつ、なめやすくなったクリトリスにさらなる愛撫をくわえていった。
「あっ♡ ふ、く、うううっ♡ も、だめ……ほんとにだめっ♡ かすが、くんっ♡、おねが……ひぃ♡ ゆる、許し……あくぅぅぅ♡」
 もちろん、クリトリスだけでは刺激が単調になるので大小の陰唇への愛撫も忘れない。
 さらに俺は舌を突き出して膣の中に舌先を侵入させると、ヒダ肉の感触を確かめながら花恋の膣内を激しくかきまわした。
 花恋はがくがくと腰を震わせながらとろけた声をあげる。
「あっ♡ あっ♡ やだっ♡ やだぁっ♡ こんなの、私、私ぃ……♡♡」
 せっぱつまった様子の花恋を見て限界が近いと察した俺は、とどめとばかりにクリトリスを責め立てた。
 ちゅっちゅと音を立ててキスし、母乳を求める赤ん坊のように吸いつき、最後にぷっくりとふくれたそれを甘噛みする。
 その瞬間、花恋の口から吼えるような絶頂の声がほとばしった。
「ああああ!♡♡ もうだめ!♡♡ もうイク!♡♡ イク、イク、イっちゃうぅぅぅぅぅ!♡♡♡」
 その声と同時に、花恋の秘所から温かい愛液があふれ出し、ぴしゃぴしゃと音を立てて俺の顔に降りかかった。
 俺は大きく口を開けて割れ目に吸いつくと、あふれ出る愛液を喉を鳴らして飲みほしていく。
 平和な春日家のリビングに響く淫らな水音は、それからしばらくの間やむことはなかった。

 

【次回更新:2025年1月5日(木)】

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