「言葉責めのカリスマ」として、その名を知らしめる南智子。今でこそM男性を中心に絶大な人気を誇っているが、青春時代は自分の欲求をさらけ出す場を見つけられない悩み多き少女だった。そんな彼女は本当の快楽をいかにして得ることができたのか?今回は特別に2ヶ月に渡って南智子の欲望の本質を剥き出しにする。
女性ってどうしても男性よりは、性によって駆け引きをする部分が社会的にはあると思うんです。これを言うと男性も女性もあまり面白くないかもしれませんが、女性はどうしてもセックスすることで何かを得たいっていう気持ちがすごく強いなぁと思うんです。
だから、“セックスで綺麗になる”っていう特集がすごくウケたりするんじゃないかしら。逆に男の人のほうがセックス、快楽に関して純粋でいることが社会的に許されているので、“セックスでかっこよくなる”っていう雑誌のタイトルってあんまりピンとこないでしょ。でも、女性ってセックスをしたことによって結婚してもらうとか付き合ってもらうとか本命になるとか綺麗になるとか、何かをそれで得ようっていう感覚がすごく強いような気がするんですよね。当時の私にもそういう部分がやっぱりあって、セックスで相手になるべく気に入られるようにしていれば「かわいいと思ってもらえるかも」と、そういう方に気持ちが向いていたのかもしれませんね。
決してね、触られたり抱かれたりする事が「いや!、触らないで」ってわけではないんですよ。普通のセックスでも、ちょっと苦労するけど頑張ればイクこともできたんです。でも、本気で興奮してないので快感がずっと低いんですね。やっぱりMの男性に接してる方がずっとドキドキしちゃうし。
その後、20代になって心も体も大人になってきますし、ノーマルで健全な男性とのセックスにどうにも満足できなくなってしまいました。「もし自分が異常であったとしてもこれはもうしょうがない」とある意味、覚悟を決めて別れたんです。今度は積極的に自分の嗜好に合った男性を探そうと思って。
そうやって探すと最初はSMの情報が入ってくるんです。Mの男の人と女王様っていうものをメディアで見たりして、「私は、これなのかなぁ」ってどんどんその世界に惹きつけられていったんですね。「私は、女王様というものなのかしら?」って思い、そういう雑誌をこっそり買って見たりしたんです。私が求めていたのはこれかもしれない、でも、なんかちょっと女王様とは違うような…という違和感はずっと持ってたんです。でもとりあえず、そういう人たちのお店に出入りしては、少しずつ情報を仕入れていました。
そして…、とうとう見つけたんです。私の求めていたもの、求めていた気持ちよさが…。