「言葉責めのカリスマ」として、その名を知らしめる南智子。今でこそM男性を中心に絶大な人気を誇っているが、青春時代は自分の欲求をさらけ出す場を見つけられない悩み多き少女だった。そんな彼女は本当の快楽をいかにして得ることができたのか?今回は特別に2ヶ月に渡って南智子の欲望の本質を剥き出しにする。
私の好みのスウィートスポットってすごく狭いですから、Mの人でも相性は様々ですね。例えば、日本人に意外と多い女性に感情移入している人。官能小説を読んでいても、「ヘッヘッヘッ」って犯している男性に感情移入しているわけではなくて、犯されている女性に感情移入している男性ってとっても多いんですよ。これもある種のM心だと思いますけど、私がイメージしているMの男性とは違うタイプですね。
欧米のAVって気持ちよさそうにしている男の顔をショット的に入れるのですが、これが日本人にはすごく不評らしいんです。「なんで男の顔が必要あるんだ。ゲイでもないのに」って。AVの監督さんたちも「日本でこんな編集をしたらクビだよね」って冗談で言ってます。
これにはいろんな諸説があって断定はできないんですけれど、一説ではアメリカの男性は男優に感情移入しているから、「こいつがこんなに気持ちよさそうな顔をしているから、すげー楽しいんだろうな」って、男優になったつもりで観ているんだ…、とも聞きました。
ですけど、日本のユーザーの場合は女性に没頭したいという方がとても多いみたいなんです。男優は手やシルエットだけで、女性が悶えている姿、フェラチオしている姿、胸、お尻などを延々と映しているでしょ。女性の体にすごく特化していて、溶け込みたいとさえ思っているんじゃないかしら。その桃色の世界を女性でいっぱいにしておきたい、汚い男の顔やお尻なんか見たくないっていう意見が多くを占めるんですね。
長い間、セックスワークをしてきて思うのは、もしかしたら男性でも女性でもSとMの両方を持っている人が一番スタンダードなんじゃないかということ。私がマイノリティなのは、女性なのに男性が悶えるのが好きという理由だけじゃなく、100%そっちに偏っちゃってるせいみたいですね。女性でも両方好きっていう人、つまり、されるのもいいし、してあげるのも別にいいわよっていう方はたくさんいるんですよ。でも、私ぐらい偏ってる人には今まで会ったことがないんです。