フランス書院編集部発

【2020年4月22日】

第24回フランス書院文庫官能大賞、結果発表

「第24回フランス書院官能大賞」(11月末日締切分)にご応募をいただき誠にありがとうございました。
予定より発表が遅れまして、誠に申し訳ございませんでした。

編集部で厳正な審査をおこなった結果、下記の通り決定しました。
※ ペンネームが記載されていた場合は、ペンネームのイニシャルです

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大賞(賞金100万円)
該当作品なし

新人賞(賞金30万円)
「新妻調教」(T.Iさん)

特別賞(賞金30万円)
「【純愛中毒】いけない子作り 未亡人と若義母」(S.Tさん)

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■受賞作講評

■新人賞

「新妻調教」(T.Iさん)

夫の借金を肩代わりするために、見知らぬ青年と「奴隷契約」を結ばされ、自らの身体を捧げていく26歳の新妻のお話。ひとりのヒロインを徹底的に凌辱し、輪姦まで描ききるという、現在流行している凌辱小説とは異なるスタイルに、まず興味を惹かれた。
現在、フランス書院文庫創刊三十五周年を記念し、「フランス書院文庫ヒストリア」という企画を開催している。これの年表にしたがって述べるとするならば、この投稿作は1980年代から90年代の作品の雰囲気を感じた。
たが、そういった王道路線を踏襲しつつも、ヒロインや凌辱者のセリフのセンスで、新しさを感じる作品となっているところを高く評価した。
抗い始めていた人妻の身体が、執拗な調教をほどこされ、性感を開発されている過程のすばらしさも申し分ない。
投稿者はまだ若い。刊行までもう少しブラッシュアップする必要はあるものの、読者の皆様に一刻も早くお届けしたいと考えている。伸びしろしか感じられない若い、得がたい才能であることは疑いようがないからだ。

■特別賞

「【純愛中毒】いけない子作り 未亡人と若義母」(S.Tさん)

近所の食堂を女手ひとつで営む未亡人に恋慕の情を抱く青年のお話。メインヒロインには清楚で控えめな美熟女、物語をかきまわすサブヒロインには妖艶な若義母――二人のヒロイン配置と対比が見事である。作者は官能小説のツボを心得ている。
無駄な地の文を徹底して削ぎ落とし、セリフと心情の力で物語を引っ張っていくのは、いかにも今風のエンタメ小説である。亡夫の残した食堂だけを頼りに残りの人生を送る未亡人の悲哀がよく伝わってきた。子供のできなかった未亡人が(授乳の必要がないのに)大きな胸をもてあましているとボヤくくだりなどは実に巧みだ。
また若義母に反感を抱きながらも、セックスを餌に主人公が懐柔されていく過程には引き込まれた。想いは未亡人にありながら、性の愉悦に逆らえない男の弱さがよく表現されていた。
物語の結末を、未亡人と若義母と主人公による「ハーレムエンド」に落とし込んでくるのもすばらしい。タイトルに「子作り」という今流行りのワードをタイトルを入れるのも上手い。商品としての完成度の高さは、応募作の中でも抜けていた。本作を特別賞として読者のみなさんにお届けできる日が楽しみである。

以下、惜しくも受賞を逃した作品についての講評です

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「年上のお姉さん 隣家の豊乳女子大生」(M.Sさん)

隣に住む年上のお姉さんに誘惑される少年のお話。全編を女子大生のヒロインで貫き通したことに、作者のほとばしる「お姉さん」への熱い思いを感じた。計算して書いたというより、この話を書きたい!という抑えきれない気持ちを爆発させた作品に好感を覚えた。
少年をリードするお姉さんのセリフが素晴らしい。視覚、嗅覚、触覚……五感すべてを動員した濡れ場は圧巻の一言である。まるでVRのようにその場でお姉さんに手ほどきを受けているような気持ちにさせられた。
もちろん小説の技法的には注文はある。熱が走りすぎるあまり、地の文が少し重いところがあったし、心情(  )をもっとうまく使いこなしてほしかった。だが、それを差し引いても、これだけの分量の原稿を単独ヒロインで描き切ったことに拍手を送りたい。
ただ受賞に至らなかったのは、やはり若いヒロイン(お姉さん)のみの作品を書籍化することにためらいがあったからだ。フランス書院は別名「熟女書院」と呼ばれるほど熟女ヒロインが人気だ。女子大生ヒロインだけで勝負するのはかなりの「賭け」になる。官能大賞の講評まで読んでくれる熱心な読者は興味を持ってくれるかもしれないが、書店で初めて見た読者が、女子大生ヒロインだけで本を買ってくれるかというと不安な部分があった。

「復讐の時間割 ~担任教師の美人妻娘を狙う~」(D.Sさん)

暴力教師に不満を抱く二人の不良学生が教師の美人妻に目をつけ、復讐を企てる――フランス書院文庫でも人気企画の「先生の奥さん」モノである。サブヒロインは先生の娘で、母娘凌辱の一面も持っている。あらすじだけ読んでも、企画、ヒロイン配置、ストーリーに欠点がない
斬新なヒロインや奇抜な設定もいいが、官能小説の読者は比較的「定番」のお話を求めることが多い。問われるのは濡れ場の中身だ(その証拠に、結城彩雨先生は35年以上、ほぼ似たシチュエーションの人妻凌辱だけで読者から圧倒的支持を受けている)。
うまいと思ったのは、後半に父親である教師と娘に肉体関係を持たせたところだ。娘を再婚した連れ子にし、父娘に血縁関係をもたせない上で性交をさせるあたりに著者の細かな配慮を感じた。
セリフ、地の文のバランス、三人称の視点変換の選択など、小説として完成度が高い。作品の分量も文庫一冊分として申し分ない(本賞は枚数不問であり、分量が少ない作品も過去に受賞しているが、最終選考に残る作品は分量が多いものが多い)。
惜しむらくは、ヒロインが「堕ちる」のが早すぎる気がした。高慢ちきな女という設定であるにもかかわらず、凌辱されるとすぐマゾ性を全開にする。徐々にヒロインが堕ちていく過程を描いてほしかった気がする。
本作の売りをマゾ系ヒロインと割り切るのもいいが、現在フランス書院文庫では本格凌辱の人気が復活しており、マゾ系のヒロインは多少、分が悪い(それでいて書き手は多い)。そのあたりが受賞を遠ざけたところはある。

「けれど。母子相姦。」(A.Tさん)

現代のフランス書院文庫においては、「母子相姦」、それも「実母相姦」は、あまり読者の支持を得ることができない傾向がある。
本作はフランス書院文庫の一冊分を上回る、かなりのボリュームで、母への思いが恋々とつづられている官能小説である。
本作を読んでまず思ったのは、恐らく投稿者は、あまりフランス書院文庫を読んだことがないのではないかということだ。
凌辱小説なのか、それとも誘惑小説なのか、と読者を戸惑わせながら、ただただ母への思いを軸に物語を進めていく筆者の手腕に、翻弄されっぱなしだった。
母子相姦小説としかいえない本作は、選者の心に強烈な印象を残した。
官能小説としては成功作とはいえないかもしれない本作を最終選考まで残した理由もそこにある。
今回は、純粋な「官能度」が足りないという理由で選から漏れたが、まだ若い本作の投稿者には、読者が望む官能小説、というものに正面からぶつかってほしいと思う。神瀬知巳先生の作品などをぜひ熟読してほしい。

「僕の色情カウンセラー【美人母娘と濃密レッスン】」(S.Aさん)

自らの潔癖症のせいで恋人とうまくいかなくなった青年が、美人カウンセラーの治療により、自信を取り戻していく話。
カウンセラーの美熟女・文枝のやさしさがとにかく魅力的だった。誘惑小説の王道展開を充分に生かし、ストレスなく一気に最後まで読み進めることができた
ただ、主人公の男性のキャラクタについては疑問を呈したい。童貞でオタクで潔癖症、それゆえに「バーチャルキャラ」を愛するという設定であった。これがはたして、この物語に適切なものであったか、甚だ疑問である。
むしろ青年の癖を強くしない設定のほうが、ヒロインへの思いをストレートにあらわすことができていたのではないかと考える。
読了後、カウンセラーの文枝先生がいまいち印象に残っていないのは、男主人公が悪目立ちしているからなのかもしれない。
官能小説にとって、男主人公は「黒子」の存在である。時にはボケとなり、またはツッコミとなり、とにかく女性の美しさ、存在感を、十全に引き立たせるような存在であってほしいと考える。
非常に魅力的な女性キャラだっただけに、本作にとって、男性キャラの拙さは大きなマイナスとなった。

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「第25回フランス書院文庫官能大賞」の〆切は5月末日です。

官能小説の未来を変えるのは、あなたかもしれない。ふるってご応募ください。

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